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第2章 再会

画廊での美鈴との再会から数週間が過ぎた。

平日の昼下がり、突然呼び鈴がなった。

美鈴だった。

アトリエの住所が書かれたメモを渡してはみたものの、それほど期待はしていなかった。
諦めていたというのが当たっているかもしれない。

「まさかね、来てくれるとは思わなかったよ…」
素直に喜びを口にした。

「迷いました、今でも迷ってます。おじゃましても…」
気にする素振りを見せる美鈴に、慌ててスリッパを用意した。

「まる2年になるか。いろいろあったけどそれは言わない。だから美鈴のことも聞かない」
人妻となった美鈴への配慮のつもりだった。

「ありがとうございます。結婚してちょうど2年になります。先生とお別れして、というか先生が姿を消してしばらくしてお見合いしました。今は主人は海外への長期出張で、だから半年くらいは一人身です。そんなタイミングでまさか先生と再会するなんて…」
気のせいか少し顔を赤らめたように見えた。