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ママ活
第1章 社長が昔のママだった──case1.明咲──
「抄。オレは、佐和子に男としての誇りを踏みにじられた。何度も。彼女には明白な悪意があった。復讐に協力してくれないか?」
「明咲ちゃんを、佐和子さん好みの見た目に仕上げて、可愛い仕草を叩き込む……か。確かに、僕は適任ですけれど……」
宮田より高い背を低めた抄が、明咲を上目遣いに見た。
「あは、僕の方が可愛いじゃないですかぁ。よくここまで野郎顔の女子、見付かりましたね。佐和子さんのお気に召しますかね?」
「佐和子は、気に入った子への投資は、金に糸目をつけないからね。今に分かるさ。明咲ちゃんは可愛い。昨晩、オレは間違いなく、初入店で怖気付く男の子に迫る時に似た興奮を覚えたね」
つまり、宮田は明咲に女を求めていなかったということか。
典型的な少女趣味とは無縁だったし、そうしたものが極めて似合わないだろう明咲の顔立ちは、確かに、同級生達にも「格好良い」と評価されがちだ。母親譲りの長身に、甘いが掠れ気味の声。髪だけは肩より短くしたことはないが、それだけで中性的な容姿を中和出来るなら、世に散らばるコンプレックスはもっと少なくて済んだだろう。
「男顔、一応、気にしてるんですよ」
「何で?ラッキーじゃん」
「はい?」
「この容姿が一役買って、君は助かる。オレは佐和子にイタズラ出来る。良いことしかないじゃないか」
「バレますって!」
「構わないさ。すぐにバレても、借金は肩代わりする。短期間でも楽しめればオレの鬱憤は晴れるし、五千万で良いの?まずは四千万。どうせバレないだろうから、残り一千万は、明咲ちゃんが佐和子から搾り取ってくれたら楽しいな」