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ママ活
第4章 愛しのお姉様と姫とママ
のべつ佐和子との利害関係を仄めかした霧寺は、あらゆる閃きを実行した末、明咲を稲脇に引き渡した。
女将の愛撫が何度、明咲に気を遣らせるか──…宴会場で言い当てた稲脇の客室に、見物人は来なかった。半数の宿泊客らは就寝したあとだろう深夜、彼女と二人きりになった明咲は、例のごとく良識の麻痺するキスの誘いを受けた。いや、恋仲の相手もいない以上、不特定多数と何したところで、良識に背くも何もないのか。
稲脇とのセックスは、明咲に純粋な快楽を与えた。彼女のリップサービスを浴びて、ひと回りは年長だろう女の唇を肌に受けて、いやらしい指の動きに頭の天辺からつま先まで撓らせる。
明咲が喘いで身をたわめるほど、稲脇も息を乱した。着衣して女を抱きながら、自身の方が果てたような顔つきを見せた彼女は、耐えかねた風に浴衣をはだいて下着を外した。
「どんな風に、古賀さんが貴女に夢中になったか……体験させて」
抱いて、と続けた稲脇にキスをして、彼女の唇をひらいて舌を差し込む。表面は柔らかで、しかしハリのある稲脇の肉体。ぼろんと露出した彼女の乳房の尖った一点に吸いついて、明咲は彼女をまさぐり出した。
佐和子とも亜純とも違う質感、味を感じる。それでいてたおやかな肉体は、母親の保護下にいた時分、明咲が何度も自宅の壁越しに耳に聴いた雌の悲鳴に似たものが彼女の喉を突き抜けるまで、やましい思いも打ち払った。