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ママ活
第6章 自分を幸せに出来るのはママ?それとも……


 亜純に加虐の旨味を教わったという佐和子は、変わった。それでいて、甘く優しいまどろみに誘われがちな性分も健在で、昨夜は寝具に入ってから、ほとんど明咲が彼女のリードに徹していた。
 燻したミルクに酸味を隠した彼女の味は、妖しい花の香りも覗く。目を閉じていても、自分は彼女を見つけ当てられるだろうと頭の隅で確信して、艶麗に鳴く喉に吸いついて、唇を割って舌を差し込んで、彼女の脚と脚の間の小路に溺れた。指がふやけるほどには彼女を愛して、後方から明咲を捕らえた腕の中で、夢に落ちる間際に指はしゃぶって拭ったのに、未だ匂いが仄かにこびりついている。


 そんな佐和子の起き抜けは、きびきび働く昼間の彼女からは想像つき難いことにぐずり気味で、今朝は明咲も道連れになった。

 亜純とは未だ会えていない。

 その間、明咲は自分で思う以上に、佐和子に満たされていた。



 佐和子から得た小遣いは使い先を保留にして、明咲は佳歩と食堂を訪ねた。

 混雑は、例の従業員の影響か。

 券売機のパネルを眺めて、何を頼めば彼女の腕前が調査出来るか議論して、二人、定番の中でも定番のメニューに決めた。
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