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ママ活
第6章 自分を幸せに出来るのはママ?それとも……
「か……身体を、売っているかも、知れなくて……」
思春期に差しかかる頃には既に外見重視主義だった妹は、この春、高校三年生になった。生来、優れた容姿の彼女は、進学してからこの二年間で、プロポーションに磨きがかかった。それだけなら恋も一因と考えたろうが、羽振りまで良い。休日はデートから帰ってくると、大量の買い物袋を抱えている。相手の男は高校生なのにである。
「恋人くんの方が、売春している可能性は?」
妹の疑惑を打ち明けた時、佳歩の顔は気の毒になるほど赤らんで、消え入りそうな声になった。彼女に引き替え、世間話でもしている調子の明咲に、やはり清廉な友人は、恥ずかしげに目を泳がせた。
「テニス部で、アルバイト出来る余裕もないはず……それに妹は、その、ネットでお金を稼いでいた時期もあって……」
つまり同い年の恋人は、実在しているらしい。それなら考えすぎではないか、という明咲の言葉も空しく、佳歩は、真相を確かめたいと言い出した。