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ママ活
第6章 自分を幸せに出来るのはママ?それとも……
* * * * * *
週末、明咲は佳歩の待つ駅へ向かった。
彼女の妹──…小川ゆうと、蛙前寿也という少年の待ち合わせ場所に先に着いて、近くのファストフード店の窓際から、彼らの来るのを待つ算段だ。
果たして、朝のがらんとした店内から、ひときわ目を引く少女の姿が確認出来た。目を瞠るほど可憐な標的は、BABY,THE STAS SHIE BRIGHTの豪奢なベビードール風ワンピースでめかし込んで、すました顔をパラソルの陰に覆っている。
一般人とは信じ難い、美少女だ。姉を見ていれば遺伝子の作用も考えられるが、きららかでつぶらな瞳がいっそう引き立つ小さな顔、華奢で柔らかげな体つき、腰まであるダークピンクのつややかな髪は、十代という若さを差し引いても、神がかっている。
そして明咲は、自分が彼女をとてつもなく知っていたことに気付いた。
「……ぁ、……」
条件反射的に、佐和子とのLINEのトーク画面を開いた。が、今日会う予定もない相手のスケジュールなど、履歴にあるはずがない。
苗字が同じで、佳歩の語ってきた彼女の妹の特徴から、明咲は気付くべきだったのだ。
小川ゆう。
同僚に似た美少女は、佐和子の三人目の愛人だ。