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ママ活
第6章 自分を幸せに出来るのはママ?それとも……
「映画、どう思った?」
「主人公の友達がとても良い子で、声出そうになった」
「無償の友情だったよね。主人公にはもったいない」
「主人公は、自分のことでいっぱいに見えたな。小川ちゃんも思ってたんだ?」
「不可抗力だったよー、嬉しい!また男に辛辣だなんて思われるかと思ったー」
「男子が計画性なくて短絡的っていうのは、否定しないよ。そういう人、身近にもいたし」
軽い調子で話を続ける明咲の過去を知っていなければ、佳歩は悪ノリしていただろう。
彼女こそ、佳歩がただ醜いからという理由で敵愾心を向けてきた男達の被害者だ。彼らがいなければ、色惚けした母親が、娘のいる近くでセックスしたり、金を無心しようとしたりもしなかった。彼女に売春の噂があったのも、母親のせいだと今なら分かる。
シアターを出ると、急な明るさが目にしみた。
佳歩は、それでもゆう達を見失わず、彼女らを追う。未だ尾行に気付いていないらしい二人は、近くのショッピングモールへ入っていった。
「ゆうちゃん、小川ちゃんの心配しているようなことはなさそうだね。微笑ましいほど健全なデート」
「外したかなぁ……」
確かに、ゆうは朝の荷物だけで帰宅することもある。
つまり今日、彼女は白だ。協力を仰いだ明咲には悪いが、日を改める必要がある。