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ママ活
第6章 自分を幸せに出来るのはママ?それとも……


「なんか、……ごめんね」

「何もないに越したことないよ。こっちこそ力になれなくて……」

「明咲ちゃんが気に病まないで。私のリサーチ不足だっただけで」

「じゃなくて、小川ちゃん、……本当にごめん……」


 明咲は、何に対して後ろ暗さを覚えたのだろう。謝りたいのは佳歩の方だ。
 彼女の義理堅さを利用するつもりまでなかったにしても、結果的にそうなっている。妹を心配している姉の顔で、佳歩は、明咲と休日の街を恋人さながらに歩きたいという願望を満たしていた。意中の男とデートする妹を尾けながら、浮かれた気分を味わっている。…………


 佳歩は、ゆうの秘密を暴けなかった場合の予定を組んでいなかった。もう追跡も不要だろうが、明咲と二人、そうしなければいけない魔法にでもかかったように、ゆう達の向かったレストランフロアへ先回りした。

 エレベーターで、明咲は誰かとスマートフォンでやりとりしているようだった。それから彼女は、度々、やはり不自然な様子を見せた。どこか安堵した表情と、何かに追い立てられでもしている影が、彼女の中でせめぎ合っている。
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