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ママ活
第6章 自分を幸せに出来るのはママ?それとも……
「もし小川ちゃんの心配しているようなことが事実でも、信じてあげたら……良いんじゃないかな」
「あの子、昔、変な男の車に押し込められそうになったんだ。マッチングアプリの登録に協力したのは私で、冗談でママ活を勧めたのも私。だから、何かあったら、責任、感じる……」
話を聞くほど、明咲はゆうと対面した日、彼女の姉が佳歩だという可能性を考えなかった自分自身の不覚を呪う。初めて会った女子高生が語った姉は、今思えば佳歩そのものだった。
「デートしてお金をもらうだけかも。傷が残るとは限らないし……」
「明咲は、何か……失くさなかったの?」
心臓がひっくり返るかと思った。
いきなり話が自分に向けられるとは思わなかった。
佳歩は、明咲の過去を本気と捉えていなかったのに。
「明咲ちゃん。謝るのは、私の方だよ。隠し事してた。ごめんね」
「え……」
「社長と、どんな関係?いつから?」
「そ、れ……」
たった今まで秘匿していた立場から、瞬く間に逆転した。
佳歩は、ゴールデンウィークに明咲達の関係を知ったらしい。挨拶のために佐和子の部屋を訪ねた彼女は、雇用主が友人に抱かれている現場を覗いた。あの時、施錠しそびれていたのだ。
「社長が羨ましくて、どきどきしちゃった。何で私じゃないの、って……でも、それでも明咲ちゃんが社長を好きなら……それに、社長だって、お母さんにあんな親切までしちゃうくらい、明咲ちゃんを好きなんだからって……でも……」
今にして思えば、ありきたりな恋愛関係とは解釈しきれない節があった。
それが、佳歩が仮説を立てた経緯だ。