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ママ活
第6章 自分を幸せに出来るのはママ?それとも……
沈黙が続いた。
明咲は、まだ何か話したそうだ。例えば、佐和子の他にも取引している相手がいる──…それくらい打ち明けられたところで、今更、佳歩の気持ちは変わらないのに。
「ゆうちゃんのこと」
「……?」
それから佳歩は、ついに予期しなかった事実を知った。
どうせ世界が終わるのだから、とでもいうように、佳歩は自棄になっていた。明咲もそれに等しい思いで、打ち明けてくれる気になったのか。
結論から言えば、佳歩の最愛の友人は、ゆうと顔見知りだった。
ゆうは先月、ある週末、世話になっている女の誘いで宿泊会に出るからと、佳歩に両親へのアリバイ工作をねだってきた。明咲は、そこでゆうと知り合ったらしい。
「だから、ゆうちゃんは一線超えていないよ。可愛いからって佐和子さんが気に入って、お茶やお買い物して、友達みたいに出かけているくらい」
「そんな……まさか……でも……」
「それは、ごめん……羽目外したのは、なんかそういう雰囲気になって……」
底知れない喪失感が、佳歩を襲う。自我を支えるために必要な何かが身体中から抜け落ちて、きっと今に空っぽになる。