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ママ活
第6章 自分を幸せに出来るのはママ?それとも……
* * * * * *
明咲は佳歩を、佐和子の管轄下のマンションに招いた。
想像していた愛人契約そのものだ。若手の部下をこんなところに住まわせるとは、色ぼけジジイの発想だ。
新入社員らしからぬ悪態をつきながら、佳歩はエントランスから部屋への道中、品定めする目つきで辺りを見回していた。
「こんなに好きだったのに……」
部屋に入ると、ゼンマイの切れた人形のように、佳歩はその場にくずおれた。
埃が溜まっているかも知れない、と言って、明咲は彼女をリビングまでようやっとのことで歩かせて、やはり軟体動物のごとく力の抜けた細身の真下にクッションを置いた。
「お茶、何にする?アールグレイと、苺シャンパンと、マロウブルーと……あ、ケーキあるよ。洋梨パウンド」
「……いい」
「喉乾かない?」
「……お気遣いなく」
もとより、明咲ものんびりカフェを仕切り直す気分ではない。互いに口実を合わせただけで、目的は同じだ。
「小川ちゃん」
「…………」
「シャワー、浴びよ?」
一変して、佳歩が意欲的に頷いた。