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ママ活
第6章 自分を幸せに出来るのはママ?それとも……


 くちゅ、くちゅ、ずぷ……ぴちゅっ、…………


 愛してる、大好き、愛してる、と呼吸するように呟く佳歩は、ごめんね、とも合間に言った。明咲も彼女を想って溢れる気持ちを言葉に出して、芸術的で官能的な肉体を愛でて、彼女の内部を物色する。彼女がひとしお甘く鳴けば、その場所はより丹念に愛撫を施す。



 離別を目前にでもした恋人同士の熱心さで、明咲は佳歩と濃密なひとときの中に溺れた。


 セックスを切り上げるタイミングに、今夜は、特に迷った。

 指に残ったとろみが未練を物語っているようにも見えながら、明咲はそれを舌で拭って、佳歩にバスローブを着せてからも、寝台に並んで脚を絡めて、時折、触れるだけのキスを交わした。


「可愛い子襲った気分……責任とって付き合うやつじゃないの、今の……」

「私の隣、一生、明咲ちゃんのために空いてるよ。だから落ち着くまで待つよ」

「小川ちゃん、良い子すぎない?本当に人間?天使じゃなくて?」


 どこまでが冗談で、どこからが本気か区別つき難いような言葉を交わす間にも、明咲は、根底では彼女を受け入れられない自分自身を自覚していた。

 彼女が一生、と指す時間、明咲の意思は、佐和子という所有者が握っている。


 佳歩は、佐和子に関して特に言及しなかった。表向き騙されるようにして、破格の負債をほとんど肩代わりした彼女が、明咲を手放す望みは薄い。
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