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ママ活
第7章 ママ活がガチ恋になるケース
夏。
休日の昼間は、惜しみなく肌を露出した通行人らで賑わっていた。
明咲は、約四ヶ月振りに、佳歩に似た高校生と会っていた。彼女を誘った佐和子と、亜純も一緒だ。
うだるような灼熱が注ぐ太陽が昇りきる頃、黄金色の溶けた市街地を見下ろしながら高層階のレストランでランチして、ロリィタブランドBABY, THE STARS SHINE BRIGHTに立ち寄って、雑踏に出た。すれ違っていく人々は、明咲達に目もくれないで、各自の時間に没頭している。彼らにとって名前も知らない女達など混雑の一因でしかなく、こうも共通性に欠けた四人が行動を共にしていたところで、その関係を気にする価値もないのだろう。
ただし、夏は浮かれた迷惑行為は増える。ゆうも、このところ朝の電車で男の手が局部に迫ったり、スカートに忍んできたりして、学期末試験中の通学路では、教科書もろくに見返せなかった。それが原因かはともかく、例のごとくテストの手ごたえもさんざんで、試験休みが明ける前には家出先を決めておきたいとまで明言している。
「お姉ちゃんだってそんなに勉強出来なかったのに、まともな大人になれたじゃない。なのに親は、私にばかり、そんな格好しているから勉強に身が入らないだとか、子供らしくしろだとか、夜に米粒食べろだとか、干渉してきて」
「ゆうちゃんは、年相応じゃない?ご両親の考え通り勉強は大事だけど、好きな格好と成績は関係ないと思う……」
「うちは学校が厳しかったから、ゆうちゃんの気持ちは分かる。十代って、無意味に抑えつけられるよね」
「お姉様、もしかして名門出身?」
「一応、難関校だったらしい。通学が便利で……」
「なら、ゆうちゃん。次は亜純に家庭教師をお願いして、今回は私のおうちに家出していらっしゃい」
「佐和子さんのおうち行って良いんですか?!わーい」