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ママ活
第7章 ママ活がガチ恋になるケース
総レースの白地に明るい花柄の散布したワンピースの裾を風に泳がせて、ゆうが佐和子に腕を絡めた。
妹が姉に甘える仕草で佐和子に頬を擦りつける彼女は、同い歳の少年とデートしていた時より生気に溢れて、無邪気に楽しんでいるように見える。蛙前寿也と佐和子、彼女にとってどちらが優位かそれを知るのは本人のみだが、あの日、佳歩の希望であとを尾けた先の彼女は、今日ほど笑っていただろうか。
「お姉さんお姉さん」
突然、第三者が四人の間に割り込んできた。見た感じ二十代半ばほどの男が二人、佐和子にへらへら笑いかけている。
「どこ行くんですか?めっちゃお綺麗ですねー!デパコス店長さんですか?」
「俺達、今友達募集してまして、ボーリング行きません?優待券四枚あるんですよ」
「お姉さん達は従業員さん?ご一緒に来てもらって大丈夫ですよ!」
「あ、お姉さんそれか静かに遊びたい人ですか?水族館のクーポンもあります」
佐和子を口説く男達は、ともすれば歳の離れた弟くらいにしか見えない。だが、それは彼女の素性を知る明咲の目線によるもので、きっと初対面の彼らは、努力次第では手の届くかも知れない、容姿も好みの女を見付けたつもりになっているのだ。