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ママ活
第7章 ママ活がガチ恋になるケース
冷ややかに男達を一瞥して、亜純は佐和子を腰から抱いて引き寄せた。そして、顎をつまんで顔を向かせた。
もとより佐和子の見た目だけで軟派な行為に及んだ男達は、諦めが早い。その程度なら初めから声などかけるな、と言いたげに、亜純が虫でも見る目で彼らの背中を見送った。
「お姉様、カッコイイ……」
「亜純さん、好きです!」
明咲の視界の端で、ゆうも同じ格好で同じ目つきで、かつて近所の友人が心酔していたという元歌姫に恍惚としている。
一同が再び歩き出しても気まずそうにしているのは、佐和子だけだ。そう言えば、彼女自身が亜純とはナンパで始まったと聞いている。
「亜純がナンパ嫌いだったなんて……ごめんね?顔に惹かれて貴女を口説いて」
「あたしも佐和子さんの見た目に惚れたから、お互い様だよ」
「そう?」
「それに、つけ上がった男が胸糞なだけ」
言い出したのは佐和子か亜純かどちらかだった。ホテルへ行こうという提案が現実味を帯びた頃、ゆう目当ても含めれば数えておくのも億劫になるほどの男達が、寄りついては退散していた。
「自信なくす……佐和子さん、本当に今日から泊まらせていただけますか」
「歓迎するけど、どうしたの。ゆうちゃん」
「こんなに頑張っていて、佐和子さんの方が人気だなんて、私の見た目はまだまだなんです。修行したいです」
「男達にナメられていない証拠だわ。私はゆうちゃんに憧れる」
「甲乙は別として、佐和子さん」
亜純が、にわかに何か思いついた調子で口を開いた。話を中断されたゆうは、消化不良を起こした顔で、焦れったそうに彼女らを見る。