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ママ活
第7章 ママ活がガチ恋になるケース


「こうして過ごしてみて、佐和子さんって本当に謎。遊び放題のはずなのに、何でママ活やってるの?」

「あ、気になる」


 同じ疑問を亜純にも向けたい、と明咲が思った傍らで、ゆうの顔にも好奇心が現れた。

 確かに佐和子の器量なら、むしろ相手が貢ぎたくなるだろうくらいだ。宮田は彼女を恋愛偏差値の低い女と評価していたが、明咲からすればそこまで深刻にも見えない。


「それなら亜純は、女の子を選べるお見合いパーティーに出て、無双したいと思う?」

「面倒くさー」

「同じよ」


 佐和子は、そこで専業主婦や専業主夫と、ハウスキーパーを例に出した。
 前者は無償で家事をするが、後者は違う。それではどんな仕事も笑顔で請け負うのはどちらか。仕事が無償なら個人的感情を持ち込むのは至当で、相手に不服も言い立てる。それに引き替え、有償の家事代行者は、対価の分だけ黙って働く。互いに気が楽なのは、取引という関係性が成立している方ではないか。

 それが、彼女の理屈だ。


「それにセックスしたくなれば、夜の街へ行けば良い。ね?愛は役に立たないの」

「佐和子さん……やっぱり親友って呼びたい……!」


 亜純の共感を得た佐和子は、得意顔で頷いている。

 明咲も、納得していた。二人のそうした価値観は、今初めて知ったのではない。
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