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ママ活
第1章 社長が昔のママだった──case1.明咲──
「佐和子さん、んん……佐和子さん、……」
彼女が、どこで加虐を覚えたのかは知らない。彼女も明咲と別れたあと、どこかで味を占めたのかも知れない。
佐和子の指は、明咲のひときわ弱い部分を探り当てた。そこを執拗にいじって、手枷がなければとっくに骨を抜いていたろう快楽で、明咲を意識の彼方へさらった。
手枷のフックが外れると、明咲は糸の切れた人形のように、佐和子の真下にくずおれた。
畜生でも映している風な目が、明咲を見下ろす。
「あれでイくなんて、……変態」
「佐和子さん、が……こんなことされる人だった、なんて……」
「嫌い?」
明咲は佐和子にひざまずいた。拘束具が手首を僅かに締め続けている感じさえ、今しがたの余韻を引きとめている。
四つん這いになって、彼女の足の甲に唇を寄せて、キスを落とす。
本当に佐和子を好きだった。尽くしていて幸福だった。彼女のために姿を変えて、彼女が呼べば、深夜であっても駆けつけて、彼女を抱いた。彼女の喜ぶ台詞を覚えて、キスの合間に囁いた。そうまでしてかしずいて、そんな主従に快楽を感じていたのだ、と今になって身にしみる。
「私は貴女のものです、佐和子さん。佐和子さんの望むままに、して下さい」…………
僅かに腰を動かした弾みで、クリトリスのクリップが、正鵠にこすれた。それを見逃さなかった佐和子が、腰を下ろして明咲に目の高さを合わせてきた。彼女の手には、錘を装着した鎖。
明咲が彼女の指を目で追うと、脚と脚の間の泉門に食いついたクリップにだけ、物騒なフープが備わっていることが分かった。
第1章 社長が昔のママだった──case.1明咲── ──完──