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ママ活
第2章 令和の女子高生のママ活事情──case.2ゆう──
アルバイトもして自由に暮らせる姉と違って、ゆうは自身の淫らな写真や動画を売って、洋服やコスメの予算にあてている。家計は余裕がある方だが、必要に迫られてもいないものを一つでもねだれば、両親は、ゆうに髪色を戻せだの食生活を見直せだの、説教し出すに違いない。
「パパ活、しようかな」
「オナニーしないの?」
「自分で初体験して五千円なら、パパ活して諭吉さんをいくらか欲しい」
口に出した途端、薄氷のごとくだったゆうの道徳観念は、音を立てて崩れた。
どうせ男に肌は見せている。それも、おそらくポルノ女優達に引けをとらない容姿のゆうが、叩き売りも同然の相場に合わせて。
思いつくや、ゆうは複数の男達と会うことにした。平日は放課後、土日は昼間、夕方に分けて彼らとの予定を入れて、ゆうはパパ活というものの対価の相場が破格である理由を察した。一週間で、当面は小遣いに困らないくらいの金銭を手に入れることに成功したが、男達の中には約束の時間にその場所にいない者もいて、交通費まで渋った者もいた。稀に女子好きのする店に詳しく、気前良く買い物に付き合い、そのくせ手を繋ぐのもゆうの断りを入れるほど紳士的な男もいたが、そうした男は自身にも酔っているところがあって、帰宅したあとにも延々と愛の文面を送りつけてくる。
写真や動画を売るのをやめて十日が経つ頃、ゆうは、また姉の部屋にいた。