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ママ活
第2章 令和の女子高生のママ活事情──case.2ゆう──
「会ってお話ししているだけで、こんなにお買い物してもらって良いんですか?BABY, THE STARS SHINE BRIGHTのシャーベットジャンパースカートは、毎年出る度、色違いで欲しくなっちゃって……それだけじゃなくて、今シーズンの甘ロリィタの新作、全種類プレゼントしていただけるなんて、悪いです。何かお返しします」
「可愛い着用例を見せてくれているのが、お返しだと思っていたわ」
「いいえ。それは、佐和子さんくらい素敵な人が、私の身体なんかにご興味ないと思いますよ。なので、……お掃除します!ご自宅のお風呂掃除やコンロ磨き」
こうした押し問答も、二十、三十、とデートを重ねたゆうと佐和子の間では、恒例になった。彼女と初めの冬を迎えて、春を過ごして、それから二度の夏を越した。
ゆうは高校三年生になった。
佐和子は、ゆうに肉体関係を求めないばかりか、毎度大量のプレゼントだけを贈って、SNSに投稿すれば半日でおびただしい反応の付くようなアフタヌーンティーや夜景を撮らせて、近況報告をし合いたがって、釣り銭の有り余るほどの交通費を持たせて帰す。
いつか彼女は、金での契約関係こそ、信頼するに値すると話していた。
金への信頼と、美への執着。
彼女は、それらが似ているからゆうと過ごしていて落ち着くのだ、と続けた。