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ママ活
第2章 令和の女子高生のママ活事情──case.2ゆう──


「飼っているペットにこんなの付いていたら、あたしならどんなに厳しく罰するだろう」

「やめて……ほん、とにっ……」

「気にならない?明咲のこれ、見たママ……きっと拳で突き上げるより、酷いことしてくれるはずだよ……」

「ァァッ……」


 叱られたくないと言って首を横に振りながら、想像はひとりでに広がる。今夜のことを佐和子が気付けば、きっとまた彼女に背いたことを理由に、明咲に理不尽な仕打ちをする。


 どうなったか報告楽しみにしてる。


 亜純の美しい顔に、下卑た風な笑みが滲んだ。







「今度の金曜、都合つく?」


 翌日に備えて寝具に入った明咲の頭近くで、にわかに亜純が口を開いた。

 裸で眠るわけにはいかない。だからと言って下着をつける気にもなれず、バスタオルを巻いただけの明咲は、かけ布団にくるまって、彼女の胸にすり寄っていた。


「あたしのママやってる人が、明咲に会いたいんだって」

「金曜なら、空けとくよ。三人で会うの?」

「四人。彼女もセフレ連れてくる」


 明咲は、数合わせに承諾した。

 あれだけ明咲をからかっておいて、その実、亜純にも金銭的な取引相手がいる。彼女らは互いの私生活に干渉しないという条件で、一年半関係を続けているが、いつか各々の遊び相手を紹介しようという取り決めをしていたらしい。



 そうした口約束から二日後、例の同僚が明咲を夕餉に誘った。

 妹と二人旅へ出かけたことにしなければいけない、帰宅すれば両親に嘘が知れてしまうから、しばらく付き合ってくれないか。

 それが彼女の動機だったが、亜純との予定が先だ。同僚に詫びて、明咲は指定のホテルへ向かった。
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