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ママ活
第2章 令和の女子高生のママ活事情──case.2ゆう──
* * * * * *
ゆうは、佐和子の親族が経営しているというホテルにいた。
佐和子が女子会を提案したのが週明けで、ゆうは乗り気で頷いた。彼女は今日の会合に、もう一人の愛人とその友人を呼んでいる。
スイートルームに入ったのは、初めてだ。
マンションでもここまで洒落た部屋は珍しいのではないかというのが、第一印象だ。
街を一望出来る大きな窓のある個室はガラス張りで、居間から中の様子が見える。ゴブラン織りのソファ、ロカイユ模様のような壁は、シャンデリアから注ぐ鼈甲色を受けて、いっそう格調高さを強めている。数ヶ月は寝泊まりしても、快適に生活出来そうだ。
佐和子を手伝って、ゆうもキッチンで飲み物の準備をしていると、もう一組が到着した。
運ばれてきてから時間が経っても舌鼓を打つディナーを賞翫しながら、ゆうは、水を得た魚にでもなった気分でいた。
佐和子のもう一人の愛人は、美しかった。その亜純の連れてきた新藤明咲という女も、洗練された愛らしさがあって、顔のパーツの一つ一つが整っている。
明咲を見るや、一瞬、佐和子が狐につままれでもした顔を見せた。彼女の方も、佐和子以上の狼狽えようだったが、その理由はすぐに分かった。二人は、同じ会社の雇用主と社員ということだった。