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ママ活
第3章 快楽かお手当かママか──case.3亜純──



「……淫乱」

「やだっ……指、ぁっあっ、増やさなッッ、でぇ……っ」

「佐和子さんには酷くぶっ込まれたくせに。明咲、あたし達の性欲処理係だね」

「──…っ、何そのポジショ……んっ──…ああっ……ッ」



 もっとも、佐和子は好きだが彼女を踏襲したくはない。

 四年かけて知り尽くした明咲の泉門を集中的に愛撫して、亜純は彼女に気を遣らせた。





 明咲が部屋を出ていくと、亜純は持ち帰った仕事を進めた。

 本来、この業務の担当は、上司だ。手もつけないで帰った彼は、家族が今日、誕生日らしい。今頃は亜純の一年あとに入った社員が、残り半分に取りかかっているはずだ。


 明咲が戻る頃、亜純の仕事は三割片付いていた。

 シャワーを浴びて雑誌を借りるだけにしては、遅かった。彼女なりの気遣いだろう。

 下着はバッグに預かったままだが、彼女はいくらか落ち着いていた。ハーブティーで良かったかと確認しながら、雑誌と一緒に手にしていたカップを二つデスクに並べた。



「明咲とあたし、関係変わらないね」


 カップに顔を近付けただけで、カモミールの香りが亜純を包んだ。それを一口喉に流して、ふと、そうしたことが脳裏をよぎった。


「え?」

「明咲と佐和子さんのこと、ビックリしたよ。二人ともお互い名前は伏せて話していたじゃん?」

「それならお姉様だって。佐和子さんも全然気付かなかったみたいだし」


 もっともだ。

 明咲達が金銭的取引の相手を明らかにしていなかったのと同様、淫らな遊び友達と愛人契約の相手、亜純も両者の名前は伏せていた。
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