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ママ活
第3章 快楽かお手当かママか──case.3亜純──



「ああいう、いやらしいパーティーは嫌いじゃないわ。美しい子を札束で殴ってみたい願望だって、あるくらい」

「やっちゃえば」

「店にバレてはまずいとか、私のバックに怖い人達がいるんじゃないかと疑う子達は、素手で撫でられるのが一番みたい」



 ホテルからホテルへ移動しても、亜純達の行動は、変わらなかった。冷蔵庫のフリードリンクで喉を潤わせながら、自己紹介がてら歓談する。

 ただ、佐和子がアメニティのヘアゴムで髪を束ねたのと同じように、亜純はジャケットを一枚脱いだ。
 人目があれば、こうして楽な格好にはなれなかった。


 意中の相手の頭文字を口にするのも頬を染めかねないような見た目に反して、佐和子はあけっぴろげにものを話す。
 どこぞの店の夜の蝶は色恋営業がハイレベルだの、成人向けゲームアプリにのめり込むくらいなら、某男の娘風俗のキャストを大口レンタルした方がコスパが良いだの、妹系添い寝クラブで遊んだ時、佐和子の方がキャストの女につきまとわれるようになり、最初で最後の思い出として海外旅行へ連れて行ってやったところ、女が旅先で異国の男に目移りして彼女は難を逃れただの、古賀グループ本家の長女は、疑似恋愛への課金にまつわる武勇伝も豊潤だ。

 そんな佐和子には、遊び友達もいるらしい。風俗店を経営している元学友で、彼女と同じで歳下の美男美女に目がない彼とは、贔屓のキャストもしょっちゅう被る。ここ数年は、彼も特定の青年を愛人にして、共に遊び歩くことも減った。しかし以前は、闘争心や悋気をこじらせた彼が、佐和子に手の込んだ悪ふざけを仕掛けたことまであったという。
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