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ふたりの娘
第1章 プロローグ
決して結婚中に不倫をしていたわけではありません。正式に離婚をした直後、さすがに私も落ち込んでいたようです。そして仕事も身に入らず、全てをリセットしたくて会社も辞めました。そして転職先で私の採用面接を担当した今の妻と知り合いました。仕事内容が経験に合致していたこともありますが、私がどうも妻の好みのタイプだったことが一番の理由だと、あとで妻から寝物語に聞きました。本当かどうか、今となっては定かではありませんが…。

妻もバツイチで娘がいました。結衣子(ユイコ)と言う名前の活発な小学4年生でした。妻によく似た顔つきで、最初は少し私を警戒していたようです。しかし結衣子は実父とは赤ちゃんの頃に別れたまま、全く会ったことがありません。父をずっと欲していた結衣子は、少しずつ私に懐いてくれました。私も実娘瑠衣とよく似た名前で親近感があり、瑠衣と離れた淋しさから結衣子を実娘と同じように可愛がりました。

2年の交際期間を経て、私は結衣子の母と再婚しました。そして結衣子と私は養子縁組をして親子となりました。私はいつも「ユイちゃん」と呼び、実娘瑠衣と合わせふたりの娘の父となりました。結衣子は小学6年生、瑠衣は3年生になっていました。
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