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ふたりの娘
第3章 背伸び
「さあ、入るよー海っ!」
結衣子は私にサンオイルを塗り終わると、ビーチを駆けて行きました。黄色いハイレグのビキニの後ろ姿は、はみ出したお尻も含め真っ黒に日焼けしていました。

いきなり結子は海に頭からドボンと飛び込みました。私がその後ろを恐るおそる海に入ると、足元から透き通った海の冷たさが伝わってきました。そしてゆっくりと腰のあたりまで水に浸かり、海の冷たさに慣れようとしていました。

「冷たくて気持ちー!」
私の目の前まで海を潜って近づき、結衣子は頭を出して立ち上がりました。元気そのものの義理の娘は、日に焼けた若い肌に水を弾いていました。水に濡れた短い髪をかき上げ、満面の笑顔で私を見ています。

「もうお父さん、お風呂じゃないよw」
「いや、オジさんには水が冷たいから…」
「大丈夫!飛び込んじゃえば、身体が慣れるって!!W」
そう言って笑う結衣子の上唇に、身水が垂れていました。私は思わず小学生のころ、サッカー少女だった結衣子を思い出し、笑ってしまいました。

「ユイちゃん、鼻水…w」
「え、マジ?」
「うん、2本出しになってるw」
「マジかー?!」
結衣子は恥ずかしそうに急いで後ろを向くと、自分の鼻の下を触っていました。そして屈んで海の水をすくうと、顔を洗っていました。私はそんな結衣子を、懐かしく見つめていました。

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