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ふたりの娘
第4章 裸の父娘
「お父さんとユイ、似てるってw」
「髪の毛じゃない?」
「違うw一緒に住んでるから似てくるんだって!」
それは長年連れ添った夫婦だよ、そう言おうと思いましたが、咄嗟に口に出すのは止めました。部屋に戻るホテルのエレベーターの中で、ふたりはすこしのあいだ無言になりました。

「明日の夜はまたウチかー!」
部屋のあるフロアに着くと、結衣子が声を上げました。私も結衣子とふたりで過ごした3日間が終わるのが少し淋しくなると同時に、日常生活に戻ることに心が曇るのを感じていました。

「ユイちゃん、入学式はいつだっけ?」
「4月7日…」
心なしか結衣子も元気がなくなったように思えました。私は結衣子の肩を抱き、部屋へ戻りました。そして部屋に戻るといきなり、結衣子はベッドにダイブしました。

「あー、帰りたくねー!」
結衣子はベッドの上で手足をバタバタさせ、子供のように駄々をこねました。それは結衣子なりに重い空気を変えようと、わざとふざけているように見えました。

「飛行機は夕方だからさ、まだあと半日遊べるよ!」
私も雰囲気を変えようと、わざと声を張り上げました。結衣子もパッと笑顔になり身体を起こすと、自分のベッドに座った私の横に飛び移ってきました。

「うん、お父さんどこ行く!」
「帰り道だから那覇、首里城が見たいな」
「オッケー!首里城ー!!」
結衣子は無邪気に私に抱きつくと、そのまま押し倒してきました。結衣子と私は同じベッドの上で、天井を見上げていました。

「ってか、首里城って何?」
結衣子のトボけた返事に私は思わず爆笑していました。結衣子も隣で釣られて笑っています。重かった雰囲気が急に明るくなり、私は饒舌になりました。














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