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ふたりの娘
第4章 裸の父娘
「お父さま、寝ましょう。明日は早いですよ!w」
結衣子の無邪気な顔に、私は思わず笑みがこぼれました。結衣子も笑いながら、シーツをめくり隣を開けてくれました。
「映画見ていい?」
「いいけど、お父さんは寝るよ」
「うん!静かに見るー!!」
テレビのリモコンを操作し、結衣子はお目当ての映画を見始めました。それは北欧のホラー映画で、私が妻と付き合っていたころにみた作品でした。
「友達にいいって聞いたんだよね…」
私は知らないふりで、結衣子に答えました。
「これ、ホラーじゃないの?」
「うん、だからお父さんの横で見るの!」
私が首を傾げると、結衣子が身体を寄せてきました。
「ひとりじゃ怖いから!」
真剣な表情で結衣子が訴えています。私はその顔が可笑しく、そして愛しく見えました。
「大丈夫、そんなに怖くない映画だよ」
「見たことあるの?」
「いや、なんかで感想読んだ…」
私は咄嗟に嘘を吐きました。結衣子は私の顔を覗き込み、悪戯な表情になりました。
「怖かったらお父さんに抱きつくからね!」
「ハイハイ、どうぞ…」
軽口を言い合うあいだに、私は睡魔に襲われていました。一日中海にいて疲れた上、最後のロング缶のハイボールが私に止めを差しました。結衣子の体温をパジャマ越しに感じながら、私は深い眠りに落ちました。
ふと目を覚ますと、私の胸元に結衣子の頭がありました。テレビも消えてホテルの部屋は真っ暗でした。しかしカーテンが開け放された大きな窓から、空が少し明るくなっているのがわかりました。私は熟睡した気持ちよさから、大きく深呼吸していました。
「うん、もう朝?」
私が動いたので、結衣子も目を覚ましました。シーツから顔だけを私に向け、上目遣いで見ています。その顔はまだ幼く、寝ぼけ眼をショボショボさせていました。
「まだ寝てていいよ…」
私の言葉に結衣子はもう一度目を瞑りました。そしてシーツの中で身体を動かすと、私に抱きつきました。暖かい結衣子の体温が、私の肌に当たっているようでした。
そのとき、私も寝ぼけていたようで、気がつくと肩が裸でした。私は一瞬で気が動転し、シーツをめくりました。私はなにも着ていませんでした。そして結衣子もパジャマを着ておらず、全裸になっていました。娘はベッドの上で、裸の父親に抱きついていました。