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第5章 瑠依

「えー、瑠依ちゃん…すごく可愛いじゃん！」
瑠依とのツーショットを見せると、結衣子が嬉しそうに声を上げました。そんな結衣子を見て、私も嬉しくなりました。

「お土産のシーサー、すごく喜んでたよ！
「ホント？よかった！」
妻との関係はずっと微妙なままですが、旅行後から結衣子との距離は確実に近くなりました。

「いつかさあ、瑠依ちゃんと会えるかな？」
「会いたい？」
「うん！だってユイの妹だもん」
そう言うと結衣子は私の頭を載せました。私は思わず結衣子の頭を撫でていました。沖縄で少し妖しい関係になりかけましたが、結衣子は私に叱られたことをずっと覚えていました。そんな親子の関係は、結衣子が高校を卒業するまで続きました。

「瑠依ちゃんはスマホ持ってないの？」
「うん、まだ中学1年だからね」
「そうなんだ…お母さんが厳しいのかな？」
私の顔を覗き込むように、結衣子が悪戯な顔を向けました。思わず私は結衣子の頭を、ごくごく軽くポカっと叩いていました。

「いったーい！もう、暴力反対！」
「ユイちゃんは…瑠依と全然違うｗ」
「えー、お父さんはどっちが好き？」
結衣子は私の頬を指で突っつくと、さっと身体を離しました。そして笑いながら手を振ると、結衣子は自分の部屋に戻っていきました。