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ふたりの娘
第6章 結衣子の…
結衣子と私が親子の関係を超えたのは、唐突でした。
高校3年生になった結衣子は、早くから就職すると決めていました。それは私と妻の関係が破たんしていたこともあり、結衣子は早く家を出たかったのです。妻は仕事を口実に帰宅しないことが増え、男の家に入り浸っていました。そんな環境でも結衣子は努めて明るく振舞っていました。
「お父さん、見て!」
結衣子がたくさんの白いレースを胸に抱えていました。それは10月の夜、高校3年生にとって最後の文化祭の前日の夜でした。妻は出張で帰って来ない予定でした。
「なに、それ?」
夕食を終え、私は食器を洗っていました。私の返事に結衣子はレースを広げて見せました。
「じゃーん!」
満面の笑みで、結衣子は自分の身体に広げたレースを当てがっていました。いつものキャラクターパジャマの上に、レースのドレスが広がっていました。
「ウェディングドレス?」
「うん、当たり!」
以前から文化祭で劇をするとは聞いていました。しかし詳しく聞く私に対し、結衣子はずっと『内緒だよ!』とはぐらかしていました。その時やっと、結衣子は中身を教えてくれました。
「『シンデレラ』、しかもユイが主役!」
「ユイちゃん、主役なの?」
ちょっと得意げな顔で、結衣子が頷きました。
18歳になった結衣子は身長が止まりましたが、それでも167センチありました。ずっと陸上をしていましたが、8月で引退しています。成長とともに、身体つきが少しずつ女性らしいカーブを描いていました。決して目を見張る美人ではありませんが、父親の私が見ても魅力的な若い女性になっていました。そして同じ陸上部の男の子に告白され、付き合い始めていました。
高校3年生になった結衣子は、早くから就職すると決めていました。それは私と妻の関係が破たんしていたこともあり、結衣子は早く家を出たかったのです。妻は仕事を口実に帰宅しないことが増え、男の家に入り浸っていました。そんな環境でも結衣子は努めて明るく振舞っていました。
「お父さん、見て!」
結衣子がたくさんの白いレースを胸に抱えていました。それは10月の夜、高校3年生にとって最後の文化祭の前日の夜でした。妻は出張で帰って来ない予定でした。
「なに、それ?」
夕食を終え、私は食器を洗っていました。私の返事に結衣子はレースを広げて見せました。
「じゃーん!」
満面の笑みで、結衣子は自分の身体に広げたレースを当てがっていました。いつものキャラクターパジャマの上に、レースのドレスが広がっていました。
「ウェディングドレス?」
「うん、当たり!」
以前から文化祭で劇をするとは聞いていました。しかし詳しく聞く私に対し、結衣子はずっと『内緒だよ!』とはぐらかしていました。その時やっと、結衣子は中身を教えてくれました。
「『シンデレラ』、しかもユイが主役!」
「ユイちゃん、主役なの?」
ちょっと得意げな顔で、結衣子が頷きました。
18歳になった結衣子は身長が止まりましたが、それでも167センチありました。ずっと陸上をしていましたが、8月で引退しています。成長とともに、身体つきが少しずつ女性らしいカーブを描いていました。決して目を見張る美人ではありませんが、父親の私が見ても魅力的な若い女性になっていました。そして同じ陸上部の男の子に告白され、付き合い始めていました。