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ふたりの娘
第6章 結衣子の…
「じゃあ、誰が王子様?」
「…蓮君」
少し恥ずかしげな結衣子の顔を見ながら、私はちょっとびっくりしました。それは結衣子のふたつ年下の彼氏だったからです。
「なに、部活で劇をするの?」
「うん、言ってなかった?」
いつもの悪戯な顔に戻り、結衣子が答えました。そして私の前でドレスを抱えてくるっと回って見せました。
結衣子は母親とも表面上は仲良くしています。しかし私ではない男に抱かれている母親に対し、嫌悪感を持っていました。そして私は結衣子にとってある意味、母親代わりの相談当手になっていました。だから彼氏ができたことも、結衣子はまず私に報告してくれました。
「なんでドレス、持って帰ってきたの?」
「ちょっと修理がいったのw」
ウェディングドレスと言っても、高校生が手作りしたものです。薄い白いレースのよく見えれば雑なつくりですが、舞台を遠目で見れば立派なウェディングドレスに見える作りでした。
「そうなんだ。修理できた?」
「うん、完ぺき!w」
「じゃあ…蓮君はタキシード?w」
笑いながら私が言うと、また少し恥ずかしそうに結衣子が頷きました。
「蓮君のお父さんのスーツだけどねw」
写真だけですが私は蓮君を見たことがあります。少し華奢ですが結衣子より背の高い可愛い顔の男の子でした。父親の私が見ても、ふたりは微笑ましいカップルに見えました。
「じゃあ、明日は楽しみにしてるよ」
私は結衣子の最後の文化祭に出席するつもりでした。それは親としての愛情でした。
「お父さん、ユイ、あとで最後の練習したいんだけど…」
「シンデレラの練習?」
「うん…付き合ってくれる?」
私が頷くと結衣子の顔がパッと明るくなりました。私はその顔を見ながら手を振ると、風呂に向かいました。
「…蓮君」
少し恥ずかしげな結衣子の顔を見ながら、私はちょっとびっくりしました。それは結衣子のふたつ年下の彼氏だったからです。
「なに、部活で劇をするの?」
「うん、言ってなかった?」
いつもの悪戯な顔に戻り、結衣子が答えました。そして私の前でドレスを抱えてくるっと回って見せました。
結衣子は母親とも表面上は仲良くしています。しかし私ではない男に抱かれている母親に対し、嫌悪感を持っていました。そして私は結衣子にとってある意味、母親代わりの相談当手になっていました。だから彼氏ができたことも、結衣子はまず私に報告してくれました。
「なんでドレス、持って帰ってきたの?」
「ちょっと修理がいったのw」
ウェディングドレスと言っても、高校生が手作りしたものです。薄い白いレースのよく見えれば雑なつくりですが、舞台を遠目で見れば立派なウェディングドレスに見える作りでした。
「そうなんだ。修理できた?」
「うん、完ぺき!w」
「じゃあ…蓮君はタキシード?w」
笑いながら私が言うと、また少し恥ずかしそうに結衣子が頷きました。
「蓮君のお父さんのスーツだけどねw」
写真だけですが私は蓮君を見たことがあります。少し華奢ですが結衣子より背の高い可愛い顔の男の子でした。父親の私が見ても、ふたりは微笑ましいカップルに見えました。
「じゃあ、明日は楽しみにしてるよ」
私は結衣子の最後の文化祭に出席するつもりでした。それは親としての愛情でした。
「お父さん、ユイ、あとで最後の練習したいんだけど…」
「シンデレラの練習?」
「うん…付き合ってくれる?」
私が頷くと結衣子の顔がパッと明るくなりました。私はその顔を見ながら手を振ると、風呂に向かいました。