この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ふたりの娘
第1章 プロローグ
「LCCとは違うね!」
もらったお菓子を頬張りながら、結衣子が私のお菓子にも手を伸ばしました。そして包装を外し手に取ると、私の口元に持ってきました。私が一口だけ噛みきると結衣子は残りを自分の口に放りこみました。15歳の娘は薄化粧をしていましたが、まだまだ子供でした。私があきれたように顔をしかめると、リスのように頬を膨らませたまま、結衣子は満面の笑みでウインクを返しました。
「お母さん、罪滅ぼしのつもりかな?」
「なにが?」
「だって、ツアー費用はお母さんが出してくれたじゃんw」
お菓子を食べきると結衣子は笑顔のまま、辛辣な言葉を吐きました。私はまた結衣子の頭を撫でると、目を瞑りました。結衣子は私の肩に頭を乗せると、小さく言葉を続けました。
「まあ、いいよ…お父さんがいるから」
私が目を開けて覗き込むと、結衣子も目を瞑っていました。私も再び目を瞑り、結衣子の体温を肩に感じていました。
「沖縄、楽しみ!」
「うん、まずどこ行く?」
「絶対海!」
そう言うと結衣子は私の右手を取り、自分の肩に回しました。そして身体を私に預けると、自分の右腕で私の右腕を挟み手を握りました。
「ユイ、ちょっと寝る!」
「はいはい…」
「沖縄の海が見えたら起こしてね」
身体を寄せてくるのは小学生のころから、電車の中で眠るときの結衣子の癖でした。しかし中学生になると電車で寝ることもなくなり、思春期もありスキンシップも減っていました。久しぶりの結衣子の体温は熱く、そして甘い香りがしていました。私は自分の体温も上がりつつあるのを感じていました。
「ホテル着いたら、すぐ海に行くからね」
「さっきも聞いた」
「ユイの水着、びっくりしないでね!」
そう言うと結衣子は私の頬に軽くキスをしました。私がびっくりして目を開けると、結衣子はすぐに寝たふりをしました。
「お父さん、おやすみー」
そして結衣子は本当に眠ってしまいました。私も眠ろうとしましたが、沖縄までずっと結衣子の身体を支える羽目になっていました。
もらったお菓子を頬張りながら、結衣子が私のお菓子にも手を伸ばしました。そして包装を外し手に取ると、私の口元に持ってきました。私が一口だけ噛みきると結衣子は残りを自分の口に放りこみました。15歳の娘は薄化粧をしていましたが、まだまだ子供でした。私があきれたように顔をしかめると、リスのように頬を膨らませたまま、結衣子は満面の笑みでウインクを返しました。
「お母さん、罪滅ぼしのつもりかな?」
「なにが?」
「だって、ツアー費用はお母さんが出してくれたじゃんw」
お菓子を食べきると結衣子は笑顔のまま、辛辣な言葉を吐きました。私はまた結衣子の頭を撫でると、目を瞑りました。結衣子は私の肩に頭を乗せると、小さく言葉を続けました。
「まあ、いいよ…お父さんがいるから」
私が目を開けて覗き込むと、結衣子も目を瞑っていました。私も再び目を瞑り、結衣子の体温を肩に感じていました。
「沖縄、楽しみ!」
「うん、まずどこ行く?」
「絶対海!」
そう言うと結衣子は私の右手を取り、自分の肩に回しました。そして身体を私に預けると、自分の右腕で私の右腕を挟み手を握りました。
「ユイ、ちょっと寝る!」
「はいはい…」
「沖縄の海が見えたら起こしてね」
身体を寄せてくるのは小学生のころから、電車の中で眠るときの結衣子の癖でした。しかし中学生になると電車で寝ることもなくなり、思春期もありスキンシップも減っていました。久しぶりの結衣子の体温は熱く、そして甘い香りがしていました。私は自分の体温も上がりつつあるのを感じていました。
「ホテル着いたら、すぐ海に行くからね」
「さっきも聞いた」
「ユイの水着、びっくりしないでね!」
そう言うと結衣子は私の頬に軽くキスをしました。私がびっくりして目を開けると、結衣子はすぐに寝たふりをしました。
「お父さん、おやすみー」
そして結衣子は本当に眠ってしまいました。私も眠ろうとしましたが、沖縄までずっと結衣子の身体を支える羽目になっていました。