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ある主婦のクリスマスイブ…
第1章 クリスマスイブは日曜日…
 4

『熱は?』

『39℃近いです』

『食事は?』

『無理っす』

『お見舞いに行ってあげるわ』

 だからわたしは彼に対して下心をたっぷり秘めて、パート後にお見舞いに行ったのだ。


「ああ、ゴホッ、悠里さん…
 ゴホッ、ゲホッ…
 はぁ…わ、わざわざ…すいません…」

「うん、いいのよ、それより大丈夫なの?
 おかゆ作ってあげるわ」
 そしてわたしは、お粥を作ってあげて…

「食べられる?」

「あ、それは…ゴホッ…食べられます」

「じゃあ、わたしはサッと片付けしてあげるから…」
 と、散らかったままの大学生の男の子の部屋を整理し、洗濯をし…

「じゃあ、お薬買ってきたから飲もうか」
 と、薬とお水を運ぶ。

「あら、なんか汗臭いわよ」

「あ、ゴホッ、二日…シャワーしてないし…
 ゴホッ、寝汗…掻いちゃたし…」

「そうかぁ、そうだよねぇ…
 じゃあ着替えよう…」
 わたしはそう囁きながら、衣装ケースに無造作に置いてあった、いちおう洗濯済みのTシャツとパンツを発見し、そして…

「あ、カラダ拭かないとね…」
 と、お湯で濡らしたタオルを手に持ち…

「じゃあ、拭いてあげるわよ…」

「う、あ、いや、ゴホッ、ゲホッ…」

「遠慮しないの」
 そう言って上を脱がし、背中から拭いてあげる。

 ドキドキドキドキ…

 下心はあったのだが、あくまでもワクワク感の下心だったし、まさか、こんな展開になるとは深く考えてはいなかったから…
 すっかり心が昂ぶってしまう。

 旦那以外の男の裸、いや、背中さえ…
 
 見たのは、触れたのは…
 12、3年振りであった。

 いや、最近は旦那とも月イチのご無沙汰であり、電気を消して、おざなりのセックスといえたから…

 わたしはすっかり彼の背中に…

 男の背中に…

 見惚れてしまい…

 ドキドキドキドキと昂ぶり…

 いや…

 ズキズキズキズキ…

 と、疼きを…
 感じてしまっていた。




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