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ある女課長のクリスマスイブ…
第1章 クリスマスイブは日曜日…
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「…………」

 だが、やはり、彼、祐輔くんは若いのだ…

 まだまだ女との場数が足りない、いや、足りなかったし…

 おそらくは、わたしとの距離感の違いに心を揺らがせているのだろう…

 ここで、このタイミングで無理やりにでも…
 そして強引に口説かれたならば…

 わたしは落ちたと想う。

 だが、まだ、彼は若い…

 若過ぎなのだ…

 そして、まだまだ場数が足りなかった…



「え?…」
 
「……あ…い、いや……」

 少し、残念であったし…

 少し、ホッとした…

「あ…ま、また…明日ね…」
 わたしからはそうとしか言えない。

「あ、は、はい…」
 スッと掴んでいた腕が離れた。

「うん…おやすみ…」
 そしてわたしは沢山の人混みの、いや、人波溢れる改札口に自ら流されていく。

 これでいい…

 これで…

 それに、まだ明日もあるのだから…

 わたしはそう想いながら満員電車に揺られながら…
 帰宅した。

 そして…

 一人ベッドで…

 ソロ活動を…

 久しぶりにソロ活動をした…

 忘れた、いや、落ち着いた筈の昂ぶりが…

 さっきの彼の、祐輔くんの熱い手と視線によって昂ぶりを…

 昂ぶりが思い出されてしまったから…

 自らの指先の動きを、止められなかった。

「あ…ん…んん…」

 脳裏には…

 最初は…

 久しぶりに思い出されてしまった、そして散々抱かれたあの男が…

 ヤツの顔が浮かんでいたのだが…


「うぅ、あぁ、っくうぅぅ…」

 最後は…

 絶頂の瞬間には…

 さっきの彼の…

 あのクリスマスの夜の街の…

 駅前の、浮かれた雑踏の喧騒の雰囲気に吞まれて流れてしまったあの祐輔くんの恥ずかしそうな顔が…


 浮かんでいたのだ…

 いや、祐輔くんの顔で…


 イッてしまった…






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