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ある女課長のクリスマスイブ…
第1章 クリスマスイブは日曜日…
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「いやぁ、感激っす」

「え、何が?」

「こうして悠里課長と二人で…」

「あ、もう大袈裟なんだからぁ」

「い、いや、ホントっすから、憧れの悠里課長とこうして二人で…」

「あら、憧れは余計だけど、一応、あくまでも仕事の終わりの打ち上げ的なさぁ…
 それに今夜の街は、カップルばっかりだろうし…」

 そう、無事になんとか終われたし…

「それにクリスマスイブだし…」


 いや、本当は違うのだ…

 一昨日から今夜までの三日間、こうして彼と、例え、仕事とはいえ一緒にいたし…

 今夜、この後の夜が…

 急に…

 一人でいることが嫌に思えて…

 いや、違う…

「寂しいから…」

「え…」

 わたしはつい、心の想いを言葉に漏らしてしまった…

「あ、い、いや、クリスマスイブなのに、少し寂しいかなってさぁ…
 ほら、キミが一昨夜も昨夜もクリスマスイブがどうのこうのって云ってきたからさぁ、余計に意識しちゃってさぁ…」

「あ、いや、だって…
 悠里課長がクリスマスイブに予定が無いって云ってきたから、なんか信じられなかったから…」

「え、だって去年だって、ほら、一人て映画に行ってたってさぁ…」
 そう、去年のクリスマスイブは一人でレイトショーを観て過ごしたのだ。

「は、はい、そうは云ってましたけどぉ…」
 彼はそう言いながら給湯室から持ってきた紙コップに注いだシャンパンをグイッと飲む。

「あ、そうだ、そうっすよ、今年は、自分がやらかさなかったらどうしようと思ってたんすか?」
 彼は急に、そう訊いてきた。

「え、あ、うん…
 うんとねぇ…
 ホントはねぇ…」

 脚のマッサージを兼ねてのエステに行って過ごそうかなってさ…

「え、脚のマッサージ?、エステ?…」

「うん、そう、すごく気持ちいいのよ」

 そうなのだ…
 最近、月に二度ほど通っているのである。

「あ、じゃ、じゃあ…
 ささやかなお礼に、自分が、脚のマッサージしますよ…」

「え…」



 彼は…

 祐輔くんは…

 そう言ってきたのだ。





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