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ある女課長のクリスマスイブ…
第1章 クリスマスイブは日曜日…
 6

「おはよう」

「おはようございます、今日もすいません、よろしくお願いします」

 今日は12月23日土曜日午前9時45分…
 部下の祐輔くんは既に来社していて、パソコンが開き、どうやら作業も始めていたようだ。


「あら、10時って言ったのに、早いわね」
 
「いや、当たり前っすよ、なんとか今日中に…」

 そう、彼がしくじったが故の休日出勤なのだが…

「うん、偉いわね…
 でも今日中に終われるのかな?」

「あ……いや…無理、いや、難しそうっす」

「だよねぇ…
 だったらさぁ、開き直ろうよ」
 と、わたしは重くなりがちな空気を明るくしようと笑顔でそう言った。

「あ、は、はい、ありがとうございます」

「うん、大丈夫だから、どっちにしろ今日も明日も予定ないからさ…」

「ええ、それが俺には不思議なんすよねぇ」

「なんで?」

「だってぇ、悠里課長みたいないい女が…
 クリスマスイブに予定が無いなんて…」
 と、嬉しい言葉を言ってくれた。

「あら、そんなこと言ってくれるなんて嬉しいわぁ」

「いや、マジっすよ、マジで…」

「じゃあ、きっと…
 いい女過ぎちゃってるのかもね…」
 わたしは微笑む。

「そうなんかなぁ?」

 まだまだ彼は若い…

 このわたしの自虐的な言葉のウラが読み取れないみたい…

「でもしょうがないわね…」
 思わず、心の声が出てしまった。

「え?」
 彼はキョトンとする。

「さぁ、そろそろやりましょう、本当に終わらないよ」

「あ、はい…」

 そんな23日土曜日の朝の会話であった…




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