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無能淫魔とサディスト男
第6章 喋る道具と残酷無慈悲なご主人様達(R18・R18G)

「あ...短期ご利用の場合でしたら、お値下げする事も可能ですが、値引き致しましょうか?」
「流石ですね、ファンピー。いくらまで可能ですか?」
「上限は1万まで可能となっております。すみません、売り上げの3割は、上級悪魔様にお納めする決まりとなっておりますので、これ以上はご容赦下さいませ。」
「ああ、恐らく七大悪魔の1人、淫魔の王にして色欲を司るアスモデウス様でしょう。存じております。ええ、充分な破格値です。それでお願い致します。」
「....かしこまりました。お買い上げ頂き、誠にありがとうございます。」
支払い処理が済んだキャッシュカードをファンピーは、クルーエルに手渡すと、急いで木製の太柱に固定したロゼッタの拘束を解き、手錠と首輪が付いた彼女を立たせたのだった。
「んあッ゛」
最後にロゼッタが咥え込んでいた羊毛筆がファンピーの手によって引き抜かれる。
「お優しい事で。」
体勢を崩した彼女に手を貸したファンピーへ、クルーエルが放った言葉だ。彼は一歩たりともその場から動かなかった上に、足先すら彼女に向いていなかったのだ。
そしてロゼッタの首に嵌められたチェーンリード付きの首輪のリード部分が、ついにその彼の手へと渡った。
クルーエルはそのまま大股で歩き出した。ロゼッタは二足歩行で歩く事を許可されたものの、歩幅も歩く速度も遅い為、首にリードが何度もキツく食い込んだ。
ロゼッタは、あんなに嫌だと思っていた奴隷市場の方角へ振り返った。
すぐさまファンピーと視線が合ったが、彼はバツの悪そうな顔をして彼女から視線を逸らしたのだった。
「余所見をするな。早く来い。」
叱責を受けたロゼッタの瞳にジワリと涙が浮かんだのだった。

