この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
無能淫魔とサディスト男
第6章 喋る道具と残酷無慈悲なご主人様達(R18・R18G)

その後、ロゼッタはメイド長であるエリナから使用人の大まかな仕事内容を説明された。
一般的に使用人の仕事内容は、仕えるご主人様次第で内容が大きく異なる。
例えば、性玩具のみをご所望ならば、購入された奴隷はご主人様の望みのままの姿となるのが基本だ。
だがクルーエル・スノーが求める奴隷は、秘書、接客、雑用、家事全般等、全てを完璧にこなす使用人であった。
「性奴隷として奉仕する能力は極めて高いかと思われますが、それ以外は使い物にならない、なんて事のないように。」
マニュアル本などもない、エリナの早口な口頭説明は、ロゼッタの不安を更に煽り、嫌な心臓の鼓動を早めるだけだった。
そんな緊張真っ只中の彼女でも分かったことは、クルーエル様は多忙な身で、完璧主義者で綺麗好きで、そんな彼の機嫌を損ねる事のないように業務を遂行しろという事だけである。
その後、ロゼッタは明日から仕事だと伝えられ、住み込みメイド部屋に通されたが、そこは3人部屋だった。エリナともう1人のメイド、イザベラの談笑に入れないどころか、時折感じる2人の不躾な視線を受けても何も言い返す事が出来ず、居心地の悪い空気に耐えながら夜を迎えた。
真夜中。コンコンと、メイド部屋の扉がノックされた。最も扉近くに配置されたベッドに横たわっていたロゼッタが立ち上がると、扉を開ける。
「ロゼッタ、クルーエル様からのお呼び出しだ。
直ちに来いとの事だ。クルーエル様のお部屋は分かるか?」
ノックしたのは執事の1人、ジャクソンだ。ロゼッタは「いいえ。」と素直に答えると、部屋まで案内するとの事だった。
「クルーエル様は律儀なお方ね。」
イザベラの言葉が部屋を立ち去る際、ロゼッタの耳に聞こえた。無知な彼女は意味を理解する事が出来なかったが、イザベラの口調から皮肉なのだろうと想像したのだった。

