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無能淫魔とサディスト男
第6章 喋る道具と残酷無慈悲なご主人様達(R18・R18G)


翌日からロゼッタの日々は激変した。
エリナやイザベラの監視・指導の元、家事及び雑務処理の仕事に当たったが、膨大な仕事量に対して、業務内容が1つ1つ細かすぎるのだ。
それはクルーエルが完璧主義者で極度の綺麗好き、そしてこだわりが強いという彼の性格に配慮されたものだからだ。
ただでさえ大変な肉体労働の上に、仕事処理能力が高いわけでもない、それをカバー出来る魔力量も底辺レベルで魔力に頼る事も出来ない。
常にキャパオーバー状態のロゼッタにとって、与えられる業務は苦行以外の何物でもなかった。


「ひぃう!」


空を切るような音と共に、ロゼッタの体に痛みが走る。メイド長であるエリナに鞭で引っ叩かれたのだ。


「貴方は何回肉料理を駄目にすればを気が済むのかしら?ねえ?いい加減にしてくれませんか?クルーエル様だって待たせているのですよ?」


食事準備の最中だった。エリナの監視の元、厨房でクルーエルの昼食を作っていたロゼッタだったが、本格的なフランス料理のコースメニューを一通り作らされていた。品数が多い上に料理経験の乏しい彼女には難しく、肉料理を焦がしてしまったのだ。


「イザベラ。申し訳ないんだけど、豚フィレ肉買ってきてくれませんか?ロゼッタが焦がしてしまって。」


「また〜?何回同じミスを繰り返せば覚えるの?本当迷惑。」


「奇遇ね、私も全く同じ事を思っていたわ...ハァ...また泣き始めたわ。煩いわね。とっとと動けないのかしら?」


「ひぃ、う、ごめんなさ、アッ!」


ピシッとまた彼女の体が鞭打たれる。
魔界では、体罰やパワハラ発言が当然の世界だ。出来ない奴が悪い。人間社会でいう典型的なブラック企業の職場環境が劣悪になったものとも言える。


日を追うごとにロゼッタの心身は疲れ果てていった。過酷な環境の中でも、泣いてばかりの彼女だったが、彼女自身早く成長をしたいと思っていたのだった。


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