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無能淫魔とサディスト男
第6章 喋る道具と残酷無慈悲なご主人様達(R18・R18G)


「遅い。早く来いと言っただろう?」


中央の休憩スペース、黒の本革カウチソファーに腰掛け、ロックのウィスキーを嗜んでいたクルーエルは、部屋に入ってきたロゼッタを叱りつける。
「遅れてしまい、申し訳ございません。」と頭を下げるロゼッタだったが、すぐさまクルーエルに「服を脱げ。」と命令を受けた。
無論、服を脱ぐ場所はクルーエルの目の前だ。


真正面から舐め回すような彼の視線を受けながら、ロゼッタは一糸纏わぬ姿となる。


「近くへ来い。見えないだろう?」


何の衣服も耳に纏わず、裸になったまま恐怖で全身に鳥肌を立てているロゼッタに向けて、クルーエルは一言命令する。
本当に機嫌が悪い場合は、彼は胡椒臭い敬語すら一切使わなくなるのだった。


「いい身体じゃないか、ロゼッタ。」

セラミック天板付きのネストテーブルの横へ震えながら立っているロゼッタへ、クルーエルはウィスキーを煽りながら賞賛の言葉を送った。
ロゼッタは彼の機嫌を損ねるのが恐ろしく、「ありがとうございます。」と心にもない感謝の言葉を述べるも、心中嫌な予感がしてたまらなかった。

クルーエルがウィスキーロックグラスをネストテーブルへとそっと置いた。次の瞬間、そのクリスタルガラスの中の丸氷が宙に浮き、空中で2分裂したのだ。そして分裂した2つの丸氷がロゼッタの身体目掛けて飛んできたのである。


「!ぃいっ!!」


ロゼッタは項に走った痛みに顔を歪めた。彼女視点からでは全く見えないが、所有物証明の儀式の際に付けられたドス黒い文字の血痕が赤く光ったのだ。クルーエルの洗脳及び調教教育が始まったのだろう。彼の指先も鬱血痕同様に赤いLEDのような光を放っていった。


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