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無能淫魔とサディスト男
第1章 始まりは不法侵入
※ロゼッタ視点
”さっきの客で4人目。合計8万円。
うん...暫くこれで生活出来るかな。”
現在時刻は11時。
寒空の中、黒いショートファーコートと胸元が見えるフリルニットワンピを着て大久保公園の路上に立ち、午後6時から立ちんぼ行為を行っていた彼女の手元には、合計8枚の諭吉が揃った。
“8万あるしクリスマスぐらい、どっかのビジネスホテルに泊まろうかな...。“
イルミネーションや幸せそうなカップルが目立つ中、自分は今日も節約と寝床確保の為に特殊魔法を用いて他人の住宅の窓から不法侵入をしなければならない。
そんな状況に一人惨めさを感じたが、次の瞬間、ロゼッタは邪念を振り払うようにブンブンと首を横に振った。
“....駄目、1回贅沢すると元に戻れなくなっちゃうから止めよう。
それに性欲やエネルギー補給の為じゃなくて、お金の為にセックスする頻度を増やさなきゃいけなくなるのって、なんか嫌”
彼女の中で答えは出たようで、やはり魔法という超能力を駆使して、住居侵入罪を犯す事に決めたらしい。
下着や衣類等、生活必需品がぎっしり詰まった大容量リュックサックを背負い、まず飛行魔法を使ってフワリと浮遊する。そして浮きながら自分が不法侵入する家を物色するのだった。
”よし、決めた!”
何処にでもありそうな、鉄筋コンクリートの8階建てのマンション。大久保公園付近からは若干距離はあるが、その角部屋に侵入する事に決めたロゼッタは、ゆっくりと近づき、ベランダ付きの角部屋の前で特殊魔法、物体すり抜け魔法を使うと、素知らぬ顔で窓ガラスと遮光カーテンをすり抜けて部屋に侵入した。