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無能淫魔とサディスト男
第1章 始まりは不法侵入
「お邪魔します。」
電気が消えている事から不在なのは分かっていたが、一応挨拶はするらしい。
侵入した部屋はキッチンと部屋が扉で仕切られている10畳1Kの部屋だ。電気を付けて部屋を少しだけ散策する。メンズ用と思われる脱ぎっぱなしの服、リビングテーブルに置きっぱなしになっているカップ麺の空、そして洋室にドーンと置かれたダブルベッド。多分、男の一人暮らしだろう。
「久しぶりのベッドだぁ...。」
変身魔法を解いて本来のサキュバスの姿に戻ったロゼッタは、家主が不在なのをいい事に、ベッドに大胆にダイブすると枕に顔を埋めた。うっすら煙草の匂いがする。喫煙者なのだろう。
“寒い....リュックからモコモコパジャマ取り出さないと....でも起き上がるの面倒くさくなってきた....”
パサっとロゼッタは冬布団を手繰り寄せて被った。
”人間には私の姿が見えないとはいえ、家の人が帰ってきたら、流石に退けないとなぁ。
でも....なんか...眠くなってきた。
ちょっとだけ仮眠しよう、ちょっとだけ“
瞼が段々と重くなっていき、そのままストンとロゼッタは眠りついた。
そして約1時間後、見事に熟睡してしまったロゼッタは、帰宅した不機嫌MAXの家主によって叩き起こされる羽目になるのだが、この時の彼女はまだ知る由も無いのだった。