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無能淫魔とサディスト男
第3章 そして新たな関係へ

「ただの人間が、どうやって施錠された密室内に立ち入れるんだ?玄関は鍵かかってたんだが?」
「窓から入ってきたの。戸締りされてなかったから。」
「...悪いが外出する際、戸締りした記憶はあるんだよ。」
「き、記憶違いだと思う。開いてから。」
「じゃあ仮に俺の記憶違いだったとしても、俺の部屋は8階の角部屋なんだが?侵入口が玄関じゃねえなら人目に触れずどうやってそこまで辿り着くんだ?壁をよじ登ってくるのか?無理だよな?」
そこまで蓮が問い詰めると、ロゼッタは暫し黙りこくってしまった。
流石にこれで真実を語ってくれるだろう、そう思った矢先の事、物悲しげに微笑んだ彼女が視界に入った。
「他人を追い詰めるのが好きなの?追い詰めて嘲笑うのが好き?私みたいな出来損ないを。」
「!ま、待てよ。俺はただ、お前が何者なのか知りたかっただけで。」
「それは昨日言ったじゃない!!でもそしたら貴方、私の頭がおかしいみたいな事言ってきて....真相を知りたかったのならどうして昨日の段階で信じてくれなかったの?!」
「わ、悪かったよ。本当昨日は俺が全面的に悪かったんだ。格好悪い話だが、長年付き合ってた女にフラれてイライラしててよ。酩酊状態で冷静な判断能力も失っちまって....だからお前の話に耳を傾けられなかったし、八つ当たりみたいな事して、本当悪い事したよ。すまなかった。」
「............そうなんだ。じゃあ悪魔なのに人間のフリをした私をバカにする目的で聞いてきたわけじゃないんだよね?」
「そうだ。だが、お前の琴線に触れる事なら無理に喋らなくてもいい。変な好奇心で聞いちまって悪かった。」
「...い、いいの、私の方こそ声を荒らげちゃってごめんなさい。」
”おいおい、そんなあっさり許していいのか?
いや、こっちも嘘は言ってねえし、信じてくれてありがてえが、俺がお前の立場なら相手土下座させるけどな...まあお前がいいならいいけどよ“
蓮は無事誤解が解けてホッとする一方で、簡単に言いくるめやすそうな彼女の性格を案じてしまい、内心複雑な心境だったのである。

