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無能淫魔とサディスト男
第3章 そして新たな関係へ

「えっと...昨日から色々あったけど、貴方と出会えた事で結果的に考えを改める良い機会にもなったから、その...色々気づかせてくれてありがとう。」
「......すまん、さっぱり意味が分からねえんだが?」
「....あの、怒らないで聞いてもらえる?」
「怒らねえよ。本来、俺が怒られる立場だし。仮にお前が人間だったら俺は強制性交等罪で捕まってるぜ。」
至極真面目な顔で蓮がそう言い返すと、口元に手を当てて「フフフッ。」とロゼッタは笑みを浮かべた。正直今の話に笑える要素は皆無だが、彼女が喜んでくれたのならまあいいかと蓮が思っていた所、彼女はゆっくりと淡々とした口調で語り始めたのだった。
「実はね、私、住居侵入罪を犯したのは貴方の家が初めてじゃないの。この世界に転移した半年前からずっと、毎晩やってるの。だから罪の意識が薄れていたっていうか...慣れちゃってて。」
「.....毎晩?」
「うん。本当はアパートとかに住みたいんだけど戸籍無いから契約出来ないし、そうなるとホテル暮らしでしょう?安いビジネスホテルでも長期連泊すればそれなりにお金がかかっちゃうし、だから節約する為に毎晩他人の家の隅で丸くなって寝ていたの。でも昨日は偶々ベッドが空いてて...誘惑に勝てなくて貴方が帰ってきたらすぐ退けるつもりだったんだけど、熟睡しちゃってごめんなさい。」
「いや...もうそれはいいんだが....どうやって家に入ってくるんだ?なんか魔法でも使うのか?」
「うん...物体すり抜け魔法っていう特殊魔法使って、いつも勝手に他人の家にお邪魔してたの。」
「だが、流石に毎晩やったら誰かに見つかるだろう?」
「ううん、見つからない。変身魔法とか使って人間に化けてる時は可視化されるけど、基本的に悪魔の姿って人間には見えないよ。声も聞こえないし。透けてないけど、幽霊にちょっと似てる。だから部屋の隅っこで大人しくしてればバレなかったの。」
「そうなのか...じゃあ俺が特殊な眼を持ってて、偶々お前の姿が見えちまったって事か。」
「うん...そういう事だと思う。でも見える人も居るんだなって分かったから、節約とか言っていないでもうホテル暮らしにするべきだなって反省したの。」

