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無能淫魔とサディスト男
第4章 やはり彼女はズレている
”ん....。あれ、今何時だ?
..................................。
!しまった、朝ご飯、準備するの忘れた!“
体育座りのまま眠ってしまったロゼッタは勢いよく立ち上がった。
「!うわっ!......あ、危ない....。」
立ちくらみでロゼッタの視界が真っ黒に染まる。脳の血流が一時的に低下してしまった為だ。よろつきながら、壁に手をついてじっとしていると、ハッキリとした意識が戻ってきた彼女は、瞑っていた両眼を徐に開いた。
「蓮様、居ない....。お仕事かな?」
独り言を呟きながら、ブラウンのセンターテーブルに目を向けると、走り書きをしたメモ用紙がポツンと残されていた。
『帰りは定時で帰れれば、6時過ぎぐらいだ。
遅くなる場合は、電話で連絡する。
分からねえ事があったら、そこのパソコンを使っていいし、下記の電話番号に連絡を寄越してもいい。
何かトラブった時は、必ず俺に連絡を寄越せ。
×××-××××-×××× 』
”蓮様、優しい.....。“
みみずの這ったような字と命令口調が目立つ文言だが、ロゼッタは蓮の不器用な気遣いを感じ取ったらしく、思わず微笑を浮かべた。
”ネットカフェは入り浸っていたから、パソコンの使用方法は分かるけど、電話機は初めて....。多分難しくは無いと思うけど、仮に連絡来て、すぐ対応出来るように頭に入れておかないと....。蓮様の厚意に甘えてはダメ”
蓮は雇用者として当然の事をしたまでだが、それを厚意と受け取ったロゼッタは、すぐさま仕事モードに頭を切り替えた。
“?この紙幣、何だろう?
置き忘れ...?”
切り取られたメモの横に置かれた諭吉1枚をロゼッタは手に取った。
暫く彼女は考え込んだが、やがて壁掛け時計の長針が11を指し始めると、彼女は慌ててテーブルに紙幣を戻したのだった。