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無能淫魔とサディスト男
第4章 やはり彼女はズレている
意味が分からないと思いながら、蓮は他の部屋の様子も気になってしまい、洗面所、トイレ、浴室、10畳の洋室へと向かった。
どの部屋も、私生活感がゼロのモデルルーム並みの仕上がりになっていたが、やはり10畳の居室が劇的ビフォーアフターを遂げている。
当然のようにフローリングにはワックスがかけられ、クローゼットのハンガーにはアイロン掛けのシャツや衣類が綺麗に収納。
テレビ台、ソファー、パソコンデスク、センターテーブル、シェルフ等のインテリア家具も埃1つ見当たらず恐ろしく綺麗だ。
二人掛けソファー下に敷いたグレーのカーペットは、掃除機で吸い取りきれない、抜け落ちた髪の毛が絡まって汚かったが、今は1本も無ければシミ抜きもされている。遮光カーテンの裏地もカビやシミが見当たらない。
「凄え綺麗でビックリした。お前、それで飯も作ったんだよな?初日から頑張りすぎじゃねえの?程々にやれよ、倒れるぞ。」
「.......え?あ、はい!な、何かご、ご不満等は、あ、有りますでしょうか?」
「有るわけねえだろうが。逆に誰がこんな完璧な部屋にクレーム付けるんだ?頭イかれてんだろ?」
「......え?....あぁ、そう、なんですね...」
「...は?そうなんですね?ケチつけられた事あるのか?誰だよソイツ。」
「!い、いえ、私の記憶違いで、した、す、すみません」
「...................。」
歯切れ悪く返答したロゼッタの顔色とたどたしい口調から察するに、酷いクレームを付けられた事はあると確信した蓮だったが、問い詰める気には慣れなかった。理由は不明だが、ずっとロゼッタは何かに怯えているのだ。