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無能淫魔とサディスト男
第5章 淫らなおねだりと物騒な約束事


ロゼッタ視点


この異世界に辿り着いてから約半年、誰かと一緒にこんなに時間を共有したのは初めてだった。

大晦日の夜は年越しそばを食べ、元旦は蓮様が料亭から取り寄せてくださった高級お節料理を彼と一緒に堪能した。
お正月番組を二人で観たり、初詣に行ったり、新年で賑やかな街中を二人でブラブラ歩きながら買い物をしたり...、蓮様の出勤日である1月4日まで初めての経験を沢山させていただいた。

蓮様曰く、全てこの国の年末年始の恒例行事らしい。その恒例行事の中に「大掃除」というのも含まれているらしいが、「誰かさんがピカピカしてくれたお陰で面倒な手間が省けた。」と優しく蓮様は私の頭を撫でてくれた。

また褒めてくれたのだと分かって嬉しかった。

「来年は何処か旅行にでも行こう。」と当たり前のように言われて一瞬戸惑ったが、私は「うん」と肯定した。彼は今の所、来年のこの時期まで私を専属家政婦として雇うつもりでいるらしい。彼にクビと告げられればそれまでだが、少なくとも今はそうは思っていないようだ。そんな考えがあっての彼の発言に私は心が揺れ動くのを感じた。


“意思表示をしろ、好きな事を作れ“


蓮様と一緒に過ごした有意義な年末年始の中で耳にタコが出来る程、言われた台詞だ。
でも正直どちらも無いから、分からない。
弱者は強者にひれ伏し、絶対的服従を誓わなければならなかった私の世界では不必要な事だったからだ。それに実際、奴隷としてご主人様に仕えた生々しい経験がある上、誰かの為に働くとなると中々敬語が抜けない。

そう言えば、「だったらこの先自己分析と共にゆっくり探していけばいい。必要な支援はする。」と蓮様から返ってくる。
焦らず時間をかけて見つけていけばいい、そんな言葉が言外に込められたような優しい言い方だった。だから一瞬、ずっと彼と一緒に居る光景が脳内に浮かんだが、次の瞬間、霧散して自身の妄想を苦笑いしたのだ。


自分の運命から逃げ出した異世界人に、そんな未来がある訳ないのに。


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