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無能淫魔とサディスト男
第5章 淫らなおねだりと物騒な約束事
蓮様と一緒に過ごした年末年始はとても有意義に過ぎ去っていったが、その期間中に突然頂いたプレゼントがある。
スマートフォンと呼ばれる電子端末だ。
突然「やるよ。」と言われてプレゼントされた。
世間知らずの私でも知っている、パソコンに近い、高機能な携帯電話機だ。
パソコンの機能に加えて最近ではアプリと呼ばれるものが進化し、映画や音楽を気軽に楽しめるようになっているらしい。
“私も皆と同じスマホが持てるなんて...!”
欲しかったが、とても高額だし月々の使用料金も発生する為、購入は諦めていた。当然蓮様に「欲しい。」ともねだらなかった。
だから貰った際は感激して子どものようにはしゃいでしまった。お金を払ってネットカフェに行かなければYou⚪︎ubeを観るどころか情報収集が難しいし、コンビニで新聞を入手出来たとしても分からない言葉も調べられなくて不便だった。
だからネットカフェによく通っていたものだが、スマホが有れば全て事足りてしまう。初期設定から何から設定してもらっていて、その上分厚いスマホ初心者用解説書も頂いた。「勤務中、使い方が分からなくなった時用だ。仕事中は俺もすぐに返答が出来ねえし、無いよりはマシだろう。」との事だった。
蓮様は陽気になって騒ぐ私の姿を叱る事もせず、「そうかい。喜んでくれたのなら良かった。」と言って微笑んでくれた。
優しくて親切な人。だけどどうして私のような無価値な存在にこのような高価なプレゼントをくださったの?
直感だが、その疑問を問い掛けることは、彼の機嫌を損ねると思った。だからその分、家政婦としての仕事を完璧なまでに仕上げたいと思った。
「ありがとう。」という感謝を述べる言葉以外に私に出来る行動はきっとそれしかない。