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無能淫魔とサディスト男
第5章 淫らなおねだりと物騒な約束事
あれから月日が経ち、1月半ばに差し掛かった頃、すっかり正月休みの気分も抜けて毎日の仕事も自分の中で効率良くルーティン化出来るようになってきていた。
モデルルームのように洗練されたお部屋、
節約を感じさせず栄養バランスを考えた、食欲を掻き立てられるボリュームのある料理、
蓮様が着用する衣類全般はシワひとつ残さず綺麗にクローゼットのハンガーにかけるか、収納保存。
それを最近は蓮様から頂く予算内に収める、といった、家政婦として当然のお仕事をこなせるようになって自信が付いてきた頃だった。
とある昼下がり、鼻歌を歌いながらキッチンのお掃除をしていた。音楽配信サービスの中で気に入った曲があり、思わず口ずさんでいた。音楽配信サービスと動画配信サービスは蓮様の名前で加入しているから、私のスマホは音楽と映画、ドラマ、アニメ等が聴き放題見放題らしい。
ただの家政婦なのにそんな贅沢が許されていいのだろうかと思いながらも、完璧に仕事が終わり次第、あまり熱中しないように気をつけながらアプリを開くようにしている。それでも昨日、見つけた曲がどうも頭から離れず、思わず口ずさみながら仕事をしていたのだが、突然喉の口渇感と下腹部が疼いた。
”......喉乾いた、子宮辺りが痛い。魔力不足の初期症状だ。最近性行為してなかったから、来たんだ。どうしよう....“
サキュバスの魔力の源となるのが精液だ。フェラやセックスによってサキュバスの口腔内もしくは膣内に取り込まれた瞬間、ただの精子を含む白濁液が人外の特殊な身体に取り入れられた事で魔力が発生し、それをサキュバスはエナジーとして吸収するのである。
彼らのエネルギー源は無論食事からでも摂取は可能だが、精液程の活力は与えてくれず、魔力不足に陥った身体には精液しか解決方法が無い。長々となったが、つまりロゼッタの身体は「サキュバスとしての生命維持活動が困難になりかけています。栄養(精液)を摂取して下さい。」とサインを出しているのだ。わりと深刻である。
そんな栄養失調手前の状態であるのにも関わらず、彼女は体力を消費して、無事今日も完璧な家事を終えたのだった。だが流石に疲れてしまい、くたっとソファーに横になると蓮の帰宅を待ったのだった。