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無能淫魔とサディスト男
第5章 淫らなおねだりと物騒な約束事


「俺に抱かれたいか?」


威圧感しか感じなかった蓮の声が途端に甘ったるくなった。ゆったりとしていて男らしさを感じさせる低音がロゼッタの鼓膜を刺激する。


「ンァ.......アッ....ハ、ハイ。」


“貴方様が望むのならば”
ロゼッタの世界では至って常識だった“社交辞令”は彼女の口から溢れる事は無かった。
理性が働からず、本能のままに口を動かしてしまっているのだ。


「いい子だロゼッタ。俺は素直な奴が好きだぜ。」


「ンッ、んっ、あ、蓮様。」


「いつから抱かれたかったんだ?言えよ。」


ニヒルな笑みを浮かべながら、既に分かりきった事を蓮はロゼッタに問い掛けた。
それは彼の底無しの独占欲を満たすものだったり、彼女の羞恥心を煽る為の問いかけであるが、理性が削ぎ落とされ本心しか口に出来なくなってしまったロゼッタに、蓮の思惑等気づく筈もなかった。


「アッ、ん、食事の時から。」


「食事?随分前じゃねえか。何だよ、その時からヤりたかったのか?」


「は、い。蓮様の、良い匂いに、興奮しちゃって。」


「ムラムラしたのか?ああ...だからワザと会話を切り上げたんだな?妙だとは思ったんだ。」


「蓮様の、ンッ、睡眠時間が、削られて、しまうし、疲れて、しまうし、い、言えなくて。」


「セックス如きで俺が疲弊するとでも?
お前からは余程脆く見えたんだな。」


「だって、毎日、お仕事で、疲れて「くだらねえ事考えんな。誘いたきゃ誘え。次からはそうしろ。いいな?」


ロゼッタの言葉を遮って彼女に命令する蓮の口調は命令口調でありながら、とても穏やかだ。


“私から誘っていいんだ.....。”


ロゼッタは胸の内が熱くなった。自らの意思や欲求を言葉に伝え、受け入れてもらえた経験が殆どない彼女にとって、とても新鮮に感じたからである。


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