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無能淫魔とサディスト男
第1章 始まりは不法侵入



「.............は?」


蓮の口からは思わず呆気に取られたような言葉が漏れた。そこには尖った角や尻尾、コウモリの形の羽を生やした、ほぼ裸体に近い妖艶な美女がスヤスヤと眠っていたのだった。


“....駄目だ、全く消えねえ。間違いなく現実だ。“


蓮は自分の眼を疑って二、三度目パチパチと瞬きをしたり、頬をつねってみるものの目の前の視界は変わらず、幻覚では無いという事が証明されただけだった。


「起きろ」


不機嫌な蓮はぶっきらぼうに言い放った。だが、熟睡している彼女の耳に届く事は無かったようで未だ両眼を瞑ったままである。


“.......ふざけやがって.....”


蓮は押さえ込んでいた怒りが胸の内に膨らんでいくのを感じた。長年付き合っていた彼女にフラれてメンタル崩壊の最中、自宅に不法侵入されて肝を冷やした挙句、勝手知ったる他人の家という様子で呑気に眠りこけている訳の分からない不法侵入者を叩き起こさなければならないのだ。


”チクショウ、面倒だ。
安眠の為とはいえ、何で俺がこんな事を....。
蹴飛ばして床に転がすか?そうすりゃあ、頭打って流石に起きるだろうしな。何か文句言ってきたら、怒鳴りつけてやりゃあいい。大抵の女は怯んで出て行く。決まった。“


暴力という最も最低な形でこの問題を解決する事に決めた蓮は、ベッドに乗り上げると、早速彼女の体を足で蹴り上げようとした。


“待てよ、他にも暴力はあるじゃねえか。
身体的暴力よりも効率は悪いが、俺のストレスも軽減される上に、この変態女もきっと喜んでくれる、とっておきのやつがな“


まるで悪魔が憑依したかのように性格が豹変した蓮は、ニヤッと口の端を吊り上げて下卑た笑みを浮かべた。
そして何も知らずに眠っているロゼッタの肉付きの良い胸へ舐め回すような視線を向けたのだった。



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